- 2010-05-28 (金) 18:23
- 記事
TAUS Executive Forum Tokyoに参加しての感想をアップしておりませんでした。Twitterをはじめるとブログが放置される法則は当社でも発動されているようです。
さて、参加してみての一番の感想は、機械翻訳の「実用化」は遠くないだろうという点です。あえてカッコ書きにしているのは、それが実用レベルかどうかを決めるのは、翻訳会社のレビュアーの感想でも、BLEUスコアなどの品質基準でもなく市場(=顧客)であるためです。乱暴な言い方をすれば、顧客がそれで良いと判断した時点で「実用化」されるのです。
確かにSMT(統計的機械翻訳)の品質にブレイクスルーはありました。文法構造が違い言語同士では、かなりの精度をもっていることはオンラインでGoogle翻訳を使ったことのある人ならば実感しているでしょう。
これは確かに大きいのですが、WikiやCGM的なコンテンツによる情報の増大とその消費サイクルの短期化には歯止めがかかりません。1日に生み出される情報量は人間の翻訳者が処理できる量を超えていると言われていますし、全てに人間の翻訳者が関わるほどの予算を投下できるコンテンツオーナーは、恐らくいないでしょう。こうした状況のなかで、機械翻訳は「何もないよりは機械翻訳でも訳があった方が良い」という判断の上で使用されています。
それでは、翻訳会社は機械翻訳に対してどのように対応するべきでしょうか。自分でエンジンを組み立てるか、その品質評価を担うか、過去の遺物として消え去るか。どの選択肢も考えられます。
これを考える上で重要なのは、多くの翻訳会社はQAやビルドなども翻訳と関連して行っているという点です。そして、現状の料金体系(文字やワードごとの単価)には、翻訳に関係する諸作業費も織り込まれているケースが多く見られます。
極端な話をすると、全ての翻訳が機械で行われるようになった場合、周辺の作業も同時に自動化しないと単価が減るなかで作業だけが残ることになります。こうした周辺業務の自動化のためには、顧客との関わりを、翻訳とその前後だけでなく、より広範囲なものとして顧客に寄り添っていく必要があります。それができる会社かどうかが今後は問われるのでしょう。
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